胚と精子の凍結保存

精子や胚を保存しておけば、動物コロニーの維持に関連するコストを大幅に削減できると同時に、貴重なリサーチ系統を疾患、繁殖停止、災害から保護できます。また、遺伝的浮動を抑え、表現型の喪失を防ぎ、特定の病原体を持たないマウスおよびラットを簡単に復元できます。

Charles Riverでは、胚と精子は 2 つの独立した場所に分割されます。それぞれに自動液体窒素ファイリングシステムとアラームネットワークを備えており、お客様の貴重な動物モデルの安全を確保いたします。凍結保存されたストックが作成されると、動物の系統はわずか 8〜10 週間で復元できます。このように短い時間で復元できるため、動物が完全に失われた場合でも、進行中の実験への中断をできるだけ最小限に抑えることができます。

ラットとマウスの胚および精子の凍結保存サービス

サービス

説明

要件

成果物

胚の凍結保存

マウスとラットの系統

マウス:

  • 810 匹のブリーダーオス:12 週間~6 か月
  • 20 匹のメス:34 週間

ラット:

  • 810 匹のオス:6 か月未満
  • 20 匹のメス:810 週間
  • 250300 個の胚(ヘテロ接合型系統)
  • 150200 個の胚(ホモ接合型系統)

HO 繁殖による凍結保存

ホモ接合型系統の場合は予備的拡大繁殖を行います

5 対の繁殖ペア

  • 150200 個の胚
  • ホモ接合型の拡大繁殖

精子の凍結保存

2 匹のオスの精子の凍結保存
* マウスのみ

2 匹のブリーダーオス:12 週間~6 か月

  • インビトロ QC
  • 16 ストロー保存、大部分の系統

生殖質凍結保存

2 つの独立した施設での安全な凍結保存

   

プロジェクトのご相談または見積もりのご請求

  • ラットとマウスの胚の凍結保存

    胚の凍結保存は、最も簡単で安全な長期細胞保存方法です。遺伝子改変げっ歯類系統を適切に凍結保存するには、いくつかの要因を考慮することが重要となります。これには、a)突然変異を持つ解凍胚の割合、b)使用可能な解凍胚の割合、c)胚移植後の予想出生率と離乳率が含まれます。

    凍結保存する胚の正確な数は、使用中の動物の遺伝子型、モデルの背景株、および特定の系統に固有の特性によって変わります。げっ歯類胚の凍結で数十年の経験を持つ Charles River では、お客様が各モデルの凍結保存に適した量を決定する際のサポートを一貫して提供させていただいております。ご提供いただいたオスの数、モデルの背景系統、および遺伝子突然変異の詳細に応じて、生体動物の交配または体外 受精(IVF)のいずれかで胚を採取します。胚の凍結保存を胚移植のクリーン化と組み合わせて、病原体のない動物の系統を作製することもできます。

    胚の凍結保存に必要な動物は、Charles Riverで飼育いたしますし、お客様の施設から定期的に提供していただくことも可能です。Charles Riverでは、遺伝子改変動物系統はすべて柔軟性のあるフィルムまたは半剛性アイソレーター内に収容されています。アイソレーターは、微生物汚染を防ぐだけでなく、個々の系統を物理的に分離することで遺伝子汚染も防ぎます。凍結保存の手順には、着床前胚の採取する、適切な胚を凍結保護剤で処理する、選択した胚をCryotech™ストローに装填する、制御された速度で胚を凍結する、といった作業があります。

  • マウスの精子の凍結保存

    精子の凍結保存は、遺伝子改変マウスコロニーを保護するための、高速で安全かつ費用対効果の高い方法になりつつあります。精子凍結保存では、モデル開発の複数の段階で(たとえば、作製や戻し交雑後)ストックを凍結保存することが可能です。Charles Riverは、すべての遺伝子改変マウス系統の精子凍結保存を行い、貴重な系統の永久的なバックアップを提供いたします。

    一部のマウスモデルでは、モデルの特定の遺伝的性質、表現型、または構成により、精子の凍結保存がコロニーを保護する最良の方法ではない場合があります。Charles Riverのプロジェクト開始スペシャリストの専任チームが、お客様とご相談の上、お客様の系統が精子凍結保存の適切な候補であるかどうかを判断し、適切であればその手法で成功するようにサポートいたします。

    精子凍結保存用の動物が提出されると、精子がオス生殖器の尾側精巣上体および輸精管から採取され、凍結保護剤で処理され、ストローに分注され、冷却され、液体窒素の中で保存されます。少なくとも 2 匹の遺伝子保有のオスから採取した精子を凍結保存するようお勧めしていす。

凍結保存されたラットとマウスの胚および精子の保管

凍結保存によりモデルのバックアップが適切に作製されたら、厳重に管理された施設で凍結ストックを保守することが重要となります。Charles River では、バルク液体窒素貯蔵タンクを備えた 2 つの独立した施設を保持しており、タンクの温度と LN2 レベルの監視および警戒を 24 時間体制で行っております。凍結保存された在庫はすべて、2 つの保管施設に自動的に分割され、冗長バックアップが作成されます。Charles River 凍結保存した物質の保管に加えて、お客様が冷凍した凍結保存物質の保管も常時、承っています。このサービスは、お客様の施設に支障が出た場合に備えて、オフサイトのバックアップとしてご利用いただけます。

凍結保存ストックの配送

凍結保存されたストックは、Charles River のドライLN2シッパーの利用で、Charles River の施設から世界中のどこにでも簡単に移動できます。これにより、生体コロニー動物を輸送しなくとも、モデルを共同研究者と共有できます。貨物のインテグリティを保証するため、LN2シッパーにはデータロガーを搭載しておりますので、輸送の全行程を通してシッパーの温度が維持されていることを確認していただけます。凍結保存されたモデルに追加の保護を施すために、Charles River では、配送に遅れが生じた場合にバックアップを確保できるよう、貨物を 2 つに分けて配送いただくことをお勧めしています。


凍結保存についてよくあるご質問(FAQs)

  • 凍結保存とは?

    低温では生細胞の生物学的代謝が大幅に低下し、最終的には停止し、生細胞の長期保存が可能になります。低温保存の概念と、水の凝固点(0°C)より低い温度および凍結保護剤自体の両方により生細胞が損傷することがあるという事実の間には、明らかに矛盾があります。凍結保存を成功させる鍵は、凍結プロセス中に有害な氷晶の生成を最小限に抑え、細胞内の氷の形成をほぼゼロに抑えるようにすることです。さらに、氷の形成を防ぐことを目的とする凍結防止剤は、相対的に毒性が低くなければなりません。同様に重要なことには、細胞を徐々に冷却する必要があります。細胞内で凍結を起こさずにゆっくりと水分が失われるようにする一方で、脱水が原因で細胞の劣化や死滅が起こらないように、ある程度のスピードもなくてはなりません。この課題を克服するために、Charles River は、長年にわたる凍結保存経験に裏打ちされた社内開発技術を使用して、凍結損傷を最小限に抑えつつ高い凍結生存率をもたらしてきました。